そらの内科レジデント生活

内科レジデントそらの日常

BLSも新しくなったよってお話

こんにちは!そらです!

 

新入職の人向けにBLS講習をお願いされたので資料作成を行っていました。

どうやら新型コロナウイルスでBLSのアルゴリズムも変更になったようです。

 

 

日本蘇生協議会(Japan Resuscitation Council)のJRC蘇生ガイドライン2020が最近になって公表され、その中に【補遺 COVID-19への対策】という項目が追加されていました。下記URLでその詳細を確認することができます。

JRC蘇生ガイドライン2020 |

 

その中から抜粋をすると

COVID-19が流行している状況においては、COVID-19の確定患者や疑い患者に加え、すべての院 外心停止患者、COVID-19 の否定が困難な院内心停止患者(救急を含む外来部門や玄関ホール等に 突然訪れた患者、緊急入院後まもなく急変した患者など)には、感染があるものとして対応する。 一方、すでに一般病棟に一定期間入院していて COVID-19 対応を受けていない患者(個室感染管理 をされていない患者)は通常否定的と考えられているため、標準予防策(スタンダード・プリコーション:standard precautions)のもとでの通常の救急蘇生法を行ってよい。

 

エアロゾル感染防護CPR

エアロゾル対応PPE(N95かそれ以上の規格のマスクまたはPAPR,眼の保護具,手袋,液体非透過性ガウンまたは長袖エプロン)を着用し,高濃度酸素投与下にHEPAフィルターまたはウイルス防護力が十分に備わったHMEフィルターを装着したBVM両手法 で口・鼻を密閉したうえで30:2で実施する。二人しか救助者がいない場合は圧迫担当者がバッグを押す。
エアロゾル感染防護の準備ができずただちにCPRを開始できない場合は, まずAED/除細動器を装着してよい。なおその際,最低限度のPPEとして、サージカルマスクと手袋の着用を行う。

このようにエアロゾル対策について明確に記載されています。胸骨圧迫、気道確保、電気SHOCKいずれにしても感染対策が優先され、蘇生処置が遅れてしまうことが懸念されます。ここまでは院内でのお話。

 

一方で院外でのCPRに関しては以下の記載があります。

市民救助者へは胸骨圧迫のみの CPRとAEDによる電気ショックを考慮することを提案する中で,院外心停止の大部分は,CPR を実施する者が救命処置を必要とする傷病者と既に接触し ている可能性が高い住宅内で発生していること,エアロゾルを発生させる処置に対するPPEの使用に制約がある可能性が高いこと,適切なPPEを着用した者が到着するまでCPRを実施しない場合,救命のための処置が遅れ,それにより重大な障害が発生する可能性があることを考慮した.

個人的には家庭内での心停止であれば迷わず蘇生処置を行えますが、道端で倒れた人の蘇生処置となるとどうしても躊躇ってしまう思いがあります。そんな時はAEDを優先して対応することになってしまうように感じます。