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肺炎の治療は3日でいいの?!ってお話

こんにちは!そらです!

アウトプットの練習を兼ねてゆるゆるとブログを継続していきます。

GW明けはそこそこ忙しかったです。 

 

 

さて今回はLancetから論文を引っ張ってきました。たまたまですが肺炎関連のトピックが連続してしまっています。


Discontinuing β-lactam treatment after 3 days for patients with community-acquired pneumonia in non-critical care wards (PTC): a double-blind, randomised, placebo-controlled, non-inferiority trial.

Lancet 2021 Mar 27;397(10280):1195-1203

 

フランスの16施設での無作為化プラセボ比較試験です。

市中肺炎で入院患者に対し3日間βラクタム系を投与したのちに状態が安定した患者に対し、追加で5日間の経口抗菌薬投与群(AMPC1g+CVA125mg 1日3回)とプラセボ投与群に無作為に1:1で割り付けました。

Primary Outcomeは抗菌薬初回投与後から15日後の治癒です。

治癒の定義は37.8℃以下であること、呼吸器症状が寛解または改善したこと、どんな理由であれ抗菌薬の追加投与を必要としなかったことです。

ITT解析で抗菌薬投与後15日の治癒率はプラセボ群で77%(117/152)、抗菌薬群で68%(102/151)であり、群間差は9.42%(95%CI -0.15〜20.34)という結果になりました。すなわちプラセボ群は抗菌薬群に非劣勢であることが判明しました。 

per-protocol解析でも同様にプラセボ群は抗菌薬群に非劣勢である結果となりました。

著者はこの結果から抗生剤の投与期間を短縮できる可能性があると指摘しています。

 

そらは肺炎に対して抗生剤を5-7日間投与することが多いです。この結果をもとにすぐに抗生剤投与期間を見直すことはないですが、このような報告が増えてくれば、どんどん短縮できるかもしれませんね。